どのような大きさのサービスであれ、すべてのサービスは、しかし、実際にサービスを使う場合、つまり、この2つの要素を使いこなすのは、
から構成されている。
- 「情報的要素」
- 「ツール的要素」
ユーザの意志である。
個人の価値観が多様化してくると、サービスを設計する上で、ユーザをどのように捉えるかが重要な問題になる。
人と人の会話において、会話する相手が変わる度に、自分の表現方法を変えることは難しい。現実世界に目を向けてみると、こうした表現方法を変えることを嫌って、世代間のコミュニケーションに不具合が起きている、ように思う。
ここで、「ユーザ・モデル」として紹介した「ペルソナ」を思い出して欲しい。
「ペルソナ」を使うと、現実世界で起きているコミュニケーション・モデルの不具合をうまく説明できることが多かった、ように思う。
これまで、「サービス」が設計される場合、「サービス」と「ユーザ(サービス利用者)」という関係でコミュニケーションを考えることが一般的であった。
「サービス」提供者は、「ペルソナ」を使って、より多くのユーザの好みにあった表現に創意工夫をこらしてきた。
しかし、さまざまな個人ブログのようなコンテンツをみていると、ブログ・サービス自体に利用者が期待しているものは、ますます、「情報的要素」の比率が高くなってきているように思う。勿論、さまざまなメディアを使いこなして表現されるコンテンツに人気がない訳ではない。
こうした傾向をちょっと説明してみよう。
例えば、ブログ・サービスを中心に見ると、発信者(ペルソナ#A)と受信者(ペルソナ#B)の関係は、以下のようになる。
ペルソナ#A ブログ・サービスが提供されているサーバに、コンテンツをアップロードする。
ペルソナ#B 同じサーバにアクセスを行う。コンテンツが気に入れば、ブックマークを行う。
ところが、厳密には、このコミュニケーション・モデルは、不完全なものと言える。
そこで、次の図を併せてみて欲しい。
ペルソナ#B 検索サービスを使って、ペルソナ#Aのブログを見つけなくてはならない。では、このふたりのペルソナを繋いだものは何だろうか?
- 検索に使ったキーワード
- 検索結果として表示されたブログの抜粋
折角なので、もう少し理解を深めてみよう。
仮に、ペルソナ#Bもブログによって情報発信をしていたとすると、ふたりのペルソナの関係には、以下のような関係が生まれるかもしれない。
そして、このペルソナの関係を一つのサービスとして表現すると、以下のような図になる。
そう。気づいて頂けただろうか?
これが、ソーシャル・ネットワーク・サービスのコミュニケーション・モデルとなる。
このように、
- 検索サービスを使ってブログを探して、気に入ったブログ(情報)をブックマークする場合
- ソーシャル・ネットワーク・サービス上で、フォローしている人の呟き(情報)をリツリートする場合
そして、ペルソナとペルソナ、つまり、ユーザとユーザを繋ぐ場合、「ツール的要素」より、「情報的要素」がより重要な役割を果たしていることが判る。
2010年現在。「ユーザの意思」を決定するには、言語を中心とした「情報的要素」がとても深く関わっている。言語をただの文字や言葉として捉えるのではなく、同じ言葉であっても、さまざまな受けとめられ方があるような、そういった問題についての見識を広めることが重要に思う。
それは、これまでの人類の歴史がそうであったように、余計な衝突を回避させてくれる、と思う。
この問題を解決する為の切り口として、「言語の次元」を読んで頂ければと思う。勿論、この内容がすべての答えになるとは思っていない。実際、言葉が無いことで衝突が起きる場合もあれば、言葉があることで衝突が起きる場合もある。然し、どのような衝突が起きた場合でも、ひとつひとつのことば、その言語の次元を、都度、「パラフレーズ」することができれば、新たな展開が見えてくると思う。
1 件のコメント:
このブログを書いたあとで、「世界を編集すること」を書きました。
「世界を編集すること」の内容は、このブログで触れた「ユーザの意志」というものを理解する上で、手助けになると思います。また、「世界を編集すること」では、僕がこれまで会った人の中でも、一番強く、「ユーザの意志」を感じさせてくれた人について書いています。
実際、Twitter上とは言え、この方との会話が無かったら、この一連のブログを書きはじめることは無かったと思います。
ようやく、あの時の会話で思ったこと、言いたかったことを少しですが噛み砕いて説明できるようになったのかな、と思います。
その意味では、今回の内容は、大切なマイルストーンになっているように思います。
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