それは、ネット上の相手が本物かどうかということ。Twitter上には、BOT(ボット)と呼ばれる特殊なプログラムが、僕たちが呟くのを常時監視している。こうしたBOTの多くは、事前に登録されたユーザの呟きをひとつひとつチェックして、設定されたキーワードに合致したり、設定された時間になったりすると、たわいのないメッセージを返したり、新しい商品やサービスの情報を送ってくる。
BOTから送られてくる情報は、他のユーザが発信した情報(呟き)文脈からずれた内容だったりするので、誤って、BOTからの情報に返事するようなことはまずない。仮に、間違って返事を返しても、BOTとのやり取りは、テレビ番組を見ていて、テレビに向かって話してしまうことに似ている。自己収束してしまう。
では、このようなBOTが、人間の言葉があたかも判っているかのように進化したり、BOTでは、悪意のあるユーザによって行われている場合、どういうことが起きるだろうか?
対応方法は、意外なほどあっさりしている。BOTであろうが、別のユーザであろうが、それが、信頼できる存在、つまり、本物であるかどうかが証明(存在証明)されれば良い。逆に、存在証明できない場合には、「なりすまし」が起きているかどうかを注意深く観察しながら判断するしかない。
この、「なりすまし」問題について考えてみる。
過日、日本から見てちょうど真裏のペルーで、大地震が起きた。地震のエネルギーはとても大きく、遠く離れた日本にまで津波が押し寄せてくるとの予報情報が気象庁から発表された。もっとも、複雑な海底の地形で干渉しながら届く津波を予想することはとても難しく、これまでに例のない規模で起きていた為、原口大臣は、Twitter上で予報情報を頻繁に呟いていた。なんとか津波の心配が収まった。その直後、マスメディアから原口大臣を非難する声が上がった。
原口大臣に「なりすまし」たユーザからの情報発信がなされた危険性は無かったのか?Twitterでは、「なりすまし」を防ぐ方法として、「公式アカウント認証」が提供されている。
この公式アカウントは、取得段階でのなりすましの可能性までを考えれば、なりすましの可能性を完全に否定できるようには思えない。そのこともあってか、原口大臣は、今後の対応として政府公式アカウントの必要性について触れている。
一方、「なりすまし」を追求する一連の報道を見ていて、マスメディアが、ただただ、不要な不安を煽って、情報を受け取った人が適切な判断をする為に必要な情報をろくに伝えようとしないことには閉口してしまった。マスメディア自体、そのマスメディアの流通システムに流れる情報が間違っていた場合、誰の責任において間違いがなされたのか明示したことはない。
インターネットであれ、マスメディアであれ、結局が、問題が起きれば、その中心には誰かがいる。誰が関わって起きたのかを明示することが無い限り、問題の本質が改善されるされることはないように思う。
ここで、現政権において、こうした問題対策の責任者でもある原口大臣のネット社会の将来に向けた取り組みについて触れておきたい。
その前に、この続きを読まれる方は、「世界の中心で呟くこと」を読んでみて欲しい。そして、再び、このページに戻ってくる際には、「存在証明」の意義について考えてながら読み進めて頂けると、都合が良いと思う。
(お帰りなさい。)
では、ネット社会の将来について考えてみよう。
まず、最初に断っておくべきことがある。僕は、ネット社会の将来について、このブログだけですべてのことを語れると思っていない。然し、多くの人達が闊達な議論を行えるようにする為の素地を作ることが、現時点では、まずなによりも大切だと思っている。だから、善い、悪いの判断ではなく、敢えて、いろいろな事例を挙げながら考えてみたいと思う。
それでは・・・
原口大臣のなりすまし騒動が、この発表(「番号に関する原口五原則について(PDF)」)を前にして意図的に行われていたとしたら、とても画期的なんだろうけど、敢えて、これらの時系列の詮索は横道に残しておく。
まず、このPDFファイルの内容に目を通して欲しい。非情にシンプルな内容で、これを渡されてすべてを理解できるような人はいないと思う。そして、僕は、この資料についての噛み砕かれた報道を、今のところ、見ていない。
なので、僕なりに噛み砕いて考えてみようと思う。ぜひ、今後の参考に読んで欲しい。
「番号に関する原口五原則について(PDF)」の番号とは、「国民ID」と呼ばれるものを指している。
「国民ID」について、僕なりに簡潔な説明を行うとしたら、
日本政府公認の「Twitter公式アカウント認証」のようなもの。ということになる。勿論、これは、たとえでしかないが、「国民ID」は、これからの社会の様々な場所で、
僕が、日本人であるかどうか、本物の僕かどうかを証明する。
手段になる。つまり、「国民ID」を利用することは、「日本国民としての存在証明」を得ることと同じ意味を持つ。
「国民ID」の概要については、「番号に関する原口五原則について(PDF)」の内容の検証を含めて、これから、ブログの中で、折に触れて噛み砕いていきたい。
ちなみに、この「国民ID」に近い思想を持った技術として、「OpenID」がある。
OpenIDは、活動的なネットワーク・ユーザであれば、既に利用可能なサービスである。原口大臣の「番号に関する原口五原則について(PDF)」に対して、米国OpenID Foundation副理事長、崎村夏彦さんのブログ、「原口5原則とOpenID」を紹介ておきたい。崎村さんのブログはとても興味深い考察がなされているので、是非読んでみて欲しい。
また、崎村夏彦さんは、「国民ID配布の課題」というブログも書かれている。こちらのブログは、「国民ID」を実際に配布する段階で、どのようにして本人確認(存在証明)を行いながら適切な配布を行うべきか、その課題がまとめられている。併せて、是非読んでみて欲しい。
「存在証明」は、ネット社会における僕たちの権利を確立するで最も重要なことなので、これに関することは、これからも書いていこうと思う。
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