2010年4月22日木曜日

インタープリター

最終的な成果物として作られるものが、
  • 「情報的要素」
  • 「ツール的要素」
がきれいに分離できるなんて思ってもいない。

極めて洗練されたインタラクティブなコンテンツを見ていると、表現のモーチフになっていた対象も然ることながら、その空間的な配置、タイミング、色、文字、音、動き、など、とてもたくさんの要素が織り上げられるようにして、独創的な世界観を醸し出す。

こういったものを要素として完全に切り分けること自体、全く意味をなさないと思う。

また、グラフィカル・ユーザ・インタフェース・デザインの分野では、相当の期間に渡って緻密なデザインが行われてきている。さまざまな情報を整然と配置することは、さまざまな「情報的要素」を「ツール的要素」として実装していることと考えている。

例えば、『デザインニング・インタフェース』(オライリー・ジャパン刊)を開いてみれば、ひとつひとつのデザインが単独に存在するのではなく、さまざまな要素と組み合わされることを意図して設計されていることがよく分かる。そうした緻密に積み上げられてきたものを部分的に分解したとして、何の役にも立たない。

それでも、日本語しか読めないユーザだからと言って、日本語以外の表現をすべて禁じることが良い結果を有無とは限らない。ボタンに表記された文字の意味がわからないことで、離脱するようなことは十分考えられる。

巧みに組み合わされた表現であっても、ユーザにとって判る易い「情報的要素」の役割はとても大きい。

あくまでも、「情報的要素」と「ツール的要素」を並べて考えた時に、「情報的要素」から考えることを指摘している。

プログラミングの世界には、「インタープリター」と呼ばれる技術がある。一般的には、プログラミング言語を読み取り、コンピュターに任意の処理を実行させる。自然言語解析という世界では、人間が書いた文章をコンピュータに解析させて、どのような意味を持つ文章であるかを判定できる所まで来ている。

要するに、近い将来、文字などの「情報的要素」から、特定の対象に対する処理を実行させることが可能になる。「情報的要素」そのものが「ツール的要素」になろうとしているのだ。

例えば、Twitter 上の呟きは、現時点では、人と人の情報交換の手段に過ぎないが、こうした技術を応用して利用することで、コンピュータが人の呟きに反応して動作するようになる訳だ。

先日、友人と「どうやって効率的に減量をするか」を話していたら、「ダイエット」について情報発信を行うBotからフォローされるようになった。

こうした事例は、インタープリター技術の初歩的な利用の一つだ。近い将来、リアルタイムに近い処理が行われるようになっても不思議ではない、と思う。

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